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従業員名簿って、なにが必要なの?
2025/5/8 修正
風俗店では、店舗で働く女性たちの情報を記録した「従業員名簿(従業者名簿)」の作成と保管が法律で義務づけられています。
これは単に形式的なものではなく労働者を守るため、また店舗運営の健全性を示すためにも欠かせないものです。
この名簿は在籍中はもちろん、退店後も3年間の保管義務があります。
加えて、18歳以上であることを証明する顔写真付きの身分証明書や本籍地の記載がある住民票やパスポートのコピーの提出も必要です。
しかしながら、働く女性の立場からすると「なぜそんなに多くの個人情報を提出しなければいけないのか」と不安に感じることも多いのが現実です。
今回はそんな不安を少しでも解消するために「従業員名簿とは何なのか?」「なぜ必要なのか?」「どんな情報を記載するのか?」について丁寧に解説していきます。
どうしているの?
冒頭でも少し触れましたが風俗店や深夜営業を行う店舗では「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(通称:風営法)」第33条により、店舗単位で従業員名簿を作成することが義務化されています。
この名簿作成は、雇用形態に関係なく必要です。
例えば月に1度だけ働くアルバイトの女性であっても、常勤スタッフであっても全員分をしっかりと作成しなければなりません。
また、風営法だけでなく「労働基準法」でも従業員名簿・出勤簿・賃金台帳の3点セットは必須の管理書類とされています。
これらは労働基準監督署や警察・税務署などの監査時に提出を求められることもあり、作成していなかった場合は法律違反として罰則の対象となってしまう可能性があります。
つまりこれは店舗側のリスク管理としても非常に重要で、名簿の不備や未作成が営業停止や罰金・最悪の場合は逮捕といった事態に発展することすらあるのです。
従業員名簿には何の記載が必要?
従業員名簿が必須なのはわかったとしても「どこまで記載する必要があるのか?」「プライベートな情報まで書かなきゃいけないの?」といった不安もありますよね。
ここでは、最低限記載すべき項目を整理してご紹介します。
▼ 従業員名簿に記載が必要な7項目
・氏名
・住所
・生年月日
・性別
・雇用年月日
・退職年月日(退職後に追記)
・従事する業務の内容
これらの項目は風俗業界に限らず、一般的な職場でも使用される基本情報です。
必ず本人の正しい情報を記載し、虚偽がないよう注意してください。
さらに、身分証明書や本籍地の確認書類も必要です。
具体的には以下のような書類を提出してもらう必要があります。
・顔写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
・本籍地の記載がある住民票、またはそれに代わるパスポートのコピー
・外国籍の方は在留カードや永住者証明書など追加書類も必要
18歳未満の就労は禁止されているため、生年月日の確認は特に厳重に行う必要があります。
これらの情報を元に名簿は適切に整備され、適法な運営体制を示す根拠になります。
必須でも事前に了承を…
従業員名簿は法律で義務付けられているため必ず提出しなければなりませんが、それでも記載する情報は大切な「個人情報」です。
だからこそ店舗側はこの情報をどのような目的で、どこまでの範囲で使用するのかを事前にきちんと説明する必要があります。
具体的には、以下のようなことを丁寧に伝えることが店舗の責任です。
・なぜこの情報が必要なのか(作成・保管義務があるため)
・誰が見る可能性があるのか(店舗内の関係者・労働基準監督署・警察等の公的機関)
・どういった管理体制で保管されるのか
仮に説明なく記入を求められたり目的外の利用をされた場合、それは説明責任の放棄や個人情報保護法違反に該当するおそれがあります。
もし名簿を悪用されて脅迫されたり無断で第三者に情報を渡された場合は、脅迫罪や個人情報保護法違反として警察に相談することも可能です。
従業員の側としても、納得できる説明を受けたうえで記載することが大切です。
「これはなんのため?」「誰が見るの?」と感じたら、遠慮なく確認しましょう。
まとめ
今回は、風俗店における従業員名簿の必要性・記載内容・個人情報の取り扱いについて詳しく解説しました。
従業員名簿は、法律で義務づけられた店舗運営に欠かせない書類であると同時に働く人の身を守るための管理資料でもあります。
ただし、法律で定められているからといって本人の了解を得ずに個人情報を記入させるのは避けるべきです。
従業員一人ひとりに対して丁寧な説明を行い、納得したうえで作成する姿勢こそが信頼される店舗づくりに繋がります。
逆に、名簿を作成していない・管理がずさん・説明が一切ない…といった店舗は法令を守っていない可能性が高く注意が必要です。
名簿の扱いひとつでそのお店がどれだけ「人」を大切にしているか、そしてどれほど真剣に営業しているかが見えてくるのです。
これから風俗業界で働こうと考えている方やすでに働いている方も、名簿についての理解を深めて安心・安全な職場選びの判断材料にしてみてくださいね。